富士見市の中古マンションが実際にいくらで成立しているかを、国土交通省が公開する成約価格データから独自に集計しました。ポータルサイトに並ぶのは売主が希望する売出価格で、成約価格とは別物です。売却を考えるときも購入を検討するときも、判断の土台になるのは成約価格のほうです。
集計の概要
| 対象 | 富士見市の中古マンション等 |
|---|---|
| 集計件数 | 319件 |
| 対象期間 | 2021年〜2026年 |
| 集計した地区数 | 15地区 |
| ㎡単価の中央値 | 38.8万円/㎡(60㎡なら約2,329万円) |
築年帯別の㎡単価
中古マンションの価格は、立地よりもまず築年数で決まります。富士見市の成約データを築年帯ごとに分けると、次のようになります。
| 築年帯 | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 | 築0-10年を100とした指数 |
|---|---|---|---|---|
| 築0-10年 | 53.3万円/㎡ | 約3,200万円 | 38件 | 100 |
| 築11-20年 | 46.5万円/㎡ | 約2,787万円 | 88件 | 87 |
| 築21-30年 | 38.9万円/㎡ | 約2,337万円 | 98件 | 73 |
| 築31年以上 | 20万円/㎡ | 約1,200万円 | 95件 | 38 |
富士見市では、築31年以上の㎡単価は築0-10年の約38%です(築21-30年で約73%)。同じ広さでも、築年数が上がるほど価格は下がります。60㎡に換算すると、築0-10年の約3,200万円に対して築31年以上は約1,200万円という水準です。
ここで重要なのは、この下がり方があなたが売るときの価格そのものだという点です。買うときに「安く買えた」と感じた築古物件は、売るときも同じカーブの上にいます。逆に築浅で買った場合、保有している間にこのカーブを下っていきます。購入の時点で、何年後にどのあたりに立っているかを見ておくことが「出口設計」の考え方です。
成約価格の年ごとの推移
2021年 37.5万円 → 2026年 26万円(-30.7%)
2021年の37.5万円/㎡に対し、2026年は26万円/㎡で、約31%の下落です。なお2026年は公開済みの四半期までの集計で、通年の数字ではありません(元データは四半期ごとに公開され、公表までに数ヶ月の遅れがあります)。
ただしこの推移は築年帯を問わない全取引の中央値なので、1年ごとの上下をそのまま「値上がり・値下がり」と読むのは危険です。取引件数が少ない年に築古物件がたまたま含まれなかっただけで、中央値は簡単に押し上がります。前の見出しで見た築年による下落(同じ時点での比較)と、暦年による推移(時間の経過)は別の軸です。同じ「下がる」という言葉で混ぜないでください。
富士見市の地区別の水準
同じ富士見市でも、地区によって水準は大きく違います。取引が5件以上あった14地区を、㎡単価の中央値が高い順に並べました。
| 地区 | 最寄駅(直線距離) | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 |
|---|---|---|---|---|
| ふじみ野西 | ふじみ野 約380m | 47.5万円/㎡ | 約2,850万円 | 79件 |
| ふじみ野東 | ふじみ野 約400m | 46.3万円/㎡ | 約2,775万円 | 46件 |
| 鶴瀬西 | 鶴瀬 約610m | 44.1万円/㎡ | 約2,649万円 | 10件 |
| 大字水子 | 柳瀬川 約1.2km | 42.7万円/㎡ | 約2,560万円 | 7件 |
| 鶴馬 | 鶴瀬 約850m | 41.1万円/㎡ | 約2,468万円 | 28件 |
| 大字鶴馬 | 鶴瀬 約850m | 37.3万円/㎡ | 約2,240万円 | 15件 |
| 東みずほ台 | みずほ台 約400m | 32.3万円/㎡ | 約1,938万円 | 17件 |
| 鶴瀬東 | 鶴瀬 約280m | 31.5万円/㎡ | 約1,893万円 | 16件 |
| 針ケ谷 | 柳瀬川 約720m | 28.3万円/㎡ | 約1,700万円 | 21件 |
| 関沢 | 鶴瀬 約600m | 26.7万円/㎡ | 約1,600万円 | 15件 |
| 水谷東 | 柳瀬川 約1.5km | 25.5万円/㎡ | 約1,531万円 | 8件 |
| 上沢 | 鶴瀬 約1.1km | 24.4万円/㎡ | 約1,467万円 | 5件 |
| 榎町 | 柳瀬川 約280m | 20万円/㎡ | 約1,200万円 | 12件 |
| 西みずほ台 | みずほ台 約220m | 17.8万円/㎡ | 約1,067万円 | 37件 |
最も高いふじみ野西(47.5万円/㎡)と最も低い西みずほ台(17.8万円/㎡)では約2.7倍の開きがあります。「富士見市の相場」という一つの数字で語れる幅ではないので、検討中の物件がどの地区にあるかまで落として比べてください。
この数字の使い方
手元の物件情報から㎡単価を出して(価格÷専有面積)、上の表の同じ築年帯・同じ地区の中央値と比べます。大きく上回っているなら、その理由を確認する材料になります。駅からの距離、リノベーション済みかどうか、階数や向き、管理状態などです。理由が説明できれば納得して進められますし、説明がつかなければ価格交渉の根拠になります。
売る側の場合は逆で、査定額がこの水準から大きく離れていたら、その根拠を聞いてください。相場より高い査定額を出して媒介契約を取り、あとから値下げを求めるやり方は実際にあります。
データについて(読むときの注意)
- 成約価格のみを集計しています。 国土交通省のデータには収集ルートの異なる2種類(指定流通機構経由の成約価格情報と、買主へのアンケートによる取引価格情報)が混在しますが、本サイトでは前者だけを対象にしています。
- 価格には物件ごとの駅距離が反映されていません。 元の価格データに駅距離の項目がないため、同じ地区でも駅前と駅から離れた物件が同じ中央値に含まれます。駅近物件はこの数字より高いのが通常です。
- 地区の「最寄駅」は町の代表点からの直線距離です。 国土交通省「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」と「位置参照情報」を加工して算出した参考情報で、徒歩距離ではありません。川や線路を挟む地区では、実際に使われる駅と異なる場合があります。
- 中央値であって、あなたの物件の査定額ではありません。 同じ築年帯・同じ地区でも、個別の条件で価格は動きます。
- 取引件数が5件未満の地区・築年帯は数値を出していません。 少ない件数の中央値を相場として扱わないためです。
- 「調停・競売等」と記載のある取引は、市場価格を反映しないため集計から除いています。
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