マンションを売却したとき、実際に手元へ残る金額(手取り)は「売却価格」よりかなり少なくなります。ローンの残債、仲介手数料などの諸費用、そして条件によっては譲渡所得税がかかるためです。この記事では、手取りを自分で計算する手順を、実際の計算式に沿って説明します。
手取り計算の基本式
手取りのおおまかな計算式は次の通りです。
手取り = 売却価格 - ローン残債 - 諸費用 - 譲渡所得税(かかる場合)
それぞれの項目を順に見ていきます。
1. ローン残債を確認する
売却時点でのローン残債は、金融機関から発行される「残高証明書」で確認できます。売却価格がローン残債を下回る場合(オーバーローン)、差額を自己資金で用意するか、金融機関と相談して任意売却などの手段を検討する必要があります。
2. 諸費用を洗い出す
マンション売却でかかる主な諸費用は次の通りです。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円+消費税(上限額) |
| 抵当権抹消費用 | 1万円前後 |
| 印紙税 | 売却価格に応じて1万〜3万円程度 |
| 引越し・クリーニング費用 | 物件・時期による |
仲介手数料は諸費用の中で最も大きな割合を占めるため、この試算を飛ばして「売却価格=手取り」と勘違いしてしまうケースが多くあります。
3. 譲渡所得税がかかるかを確認する
売却によって利益(譲渡所得)が出た場合、税金がかかることがあります。税率は保有期間によって大きく変わります。
- 保有5年以下(短期譲渡): 約39.63%
- 保有5年超(長期譲渡): 約20.315%
同じ利益額でも、売却のタイミングが数ヶ月違うだけで税率が倍近く変わることがあるため、保有期間の確認は欠かせません。
また、売却する物件が自分の住まい(居住用財産)であれば、譲渡所得から3,000万円を特別控除できる制度があります。この特別控除が使えると、譲渡益の多くのケースで税負担がほぼゼロになります(適用要件は個別に確認が必要です)。
4. 6年後・将来の売却も見据える
保有期間が5年を超えるかどうかで税率が変わるため、「今売るか」「あと数年待つか」で手取りが大きく変わることがあります。築年数の経過による建物価値の減価、エリアの地価トレンドも合わせて試算すると、より実態に近い判断ができます。
まとめ
手取り計算に必要な要素は「売却価格」「ローン残債」「諸費用」「譲渡所得税(保有期間・特別控除の有無)」の4つです。それぞれを自分の物件の数字に当てはめて計算する必要があるため、電卓での概算より専用ツールを使うほうが早く正確です。
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