同じマンションや戸建てでも、複数の不動産会社に査定を依頼すると、数百万円単位で金額が割れることは珍しくありません。背景には、机上査定と訪問査定という調査方法そのものの精度の違い、取引事例比較法や収益還元法といった査定の考え方の違いがあります。加えて、媒介契約を獲得する目的であえて相場より高めの金額を提示する会社が一部にあるという、営業上の構造も関係していると考えられます。査定額は物件の価値をそのまま表すとは限らず、会社ごとの事情が反映された数字でもあります。この記事では査定額が分かれる理由を整理したうえで、金額の大小だけで会社を選ばないための確認ポイントを紹介します。
机上査定と訪問査定は精度が違う
机上査定(簡易査定)は、登記情報や過去の取引事例などのデータをもとに、現地を見ずに算出する方法です。日照や室内の状態などは反映されません。訪問査定は実際に物件を見て確認するため、一般的には机上査定より精度が高いとされています。
査定方法の考え方の違い
不動産の査定には、類似物件の成約事例と比較する取引事例比較法、収益性から逆算する収益還元法、建築費から経年劣化を引く原価法という3つの考え方があります。居住用の物件では取引事例比較法が中心ですが、どの事例をどう補正するかは会社の判断に委ねられ、これも金額差の一因です。
媒介契約を取るための高め査定という構造
査定額を高く提示すれば売主には魅力的に映り、媒介契約(専任・専属専任・一般)につながりやすくなります。そのため根拠が薄いまま相場より高めの金額を提示する会社が一部にあると指摘されることがあります。契約後に「反響が少ないので」と価格の見直しを提案されるケースも、この構造と無関係ではないという見方があります。
まとめ
査定額の差は、査定手法(机上か訪問か)と査定方法の考え方、そして媒介契約獲得という営業上の事情が絡み合って生まれます。金額の大小だけで会社を選ぶのではなく、比較に使った事例や補正の考え方など査定額の根拠を確認する姿勢が、納得のいく売却につながると考えられます。契約内容の最終確認は宅建士等の専門家への相談もおすすめします。
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