狭山市の中古マンションが実際にいくらで成立しているかを、国土交通省が公開する成約価格データから独自に集計しました。ポータルサイトに並ぶのは売主が希望する売出価格で、成約価格とは別物です。売却を考えるときも購入を検討するときも、判断の土台になるのは成約価格のほうです。
集計の概要
| 対象 | 狭山市の中古マンション等 |
|---|---|
| 集計件数 | 556件 |
| 対象期間 | 2021年〜2026年 |
| 集計した地区数 | 19地区 |
| ㎡単価の中央値 | 10万円/㎡(60㎡なら約600万円) |
築年帯別の㎡単価
中古マンションの価格は、立地よりもまず築年数で決まります。狭山市の成約データを築年帯ごとに分けると、次のようになります。
| 築年帯 | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 | 築0-10年を100とした指数 |
|---|---|---|---|---|
| 築0-10年 | 49.2万円/㎡ | 約2,954万円 | 11件 | 100 |
| 築11-20年 | 30万円/㎡ | 約1,800万円 | 23件 | 61 |
| 築21-30年 | 23.8万円/㎡ | 約1,425万円 | 81件 | 48 |
| 築31年以上 | 8.3万円/㎡ | 約500万円 | 441件 | 17 |
狭山市では、築31年以上の㎡単価は築0-10年の約17%です(築21-30年で約48%)。同じ広さでも、築年数が上がるほど価格は下がります。60㎡に換算すると、築0-10年の約2,954万円に対して築31年以上は約500万円という水準です。
ここで重要なのは、この下がり方があなたが売るときの価格そのものだという点です。買うときに「安く買えた」と感じた築古物件は、売るときも同じカーブの上にいます。逆に築浅で買った場合、保有している間にこのカーブを下っていきます。購入の時点で、何年後にどのあたりに立っているかを見ておくことが「出口設計」の考え方です。
成約価格の年ごとの推移
2021年 10.3万円 → 2026年 9.7万円(-6%)
2021年の10.3万円/㎡に対し、2026年は9.7万円/㎡で、約6%の下落です。なお2026年は公開済みの四半期までの集計で、通年の数字ではありません(元データは四半期ごとに公開され、公表までに数ヶ月の遅れがあります)。
ただしこの推移は築年帯を問わない全取引の中央値なので、1年ごとの上下をそのまま「値上がり・値下がり」と読むのは危険です。取引件数が少ない年に築古物件がたまたま含まれなかっただけで、中央値は簡単に押し上がります。前の見出しで見た築年による下落(同じ時点での比較)と、暦年による推移(時間の経過)は別の軸です。同じ「下がる」という言葉で混ぜないでください。
狭山市の地区別の水準
同じ狭山市でも、地区によって水準は大きく違います。取引が5件以上あった14地区を、㎡単価の中央値が高い順に並べました。
| 地区 | 最寄駅(直線距離) | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 |
|---|---|---|---|---|
| 祇園 | 狭山市 約280m | 24.3万円/㎡ | 約1,457万円 | 15件 |
| 入間川 | 狭山市 約590m | 23.3万円/㎡ | 約1,400万円 | 87件 |
| 新狭山 | 新狭山 約290m | 20万円/㎡ | 約1,200万円 | 63件 |
| 富士見 | 狭山市 約1km | 20万円/㎡ | 約1,200万円 | 23件 |
| 大字東三ツ木 | 新狭山 約380m | 18万円/㎡ | 約1,080万円 | 13件 |
| 大字南入曽 | 入曽 約610m | 14.6万円/㎡ | 約874万円 | 8件 |
| 大字北入曽 | 入曽 約1.1km | 13.8万円/㎡ | 約829万円 | 19件 |
| 鵜ノ木 | 稲荷山公園 約800m | 12.3万円/㎡ | 約738万円 | 12件 |
| 中央 | 狭山市 約1.1km | 7.9万円/㎡ | 約472万円 | 56件 |
| つつじ野 | 狭山市 約1.8km | 7.5万円/㎡ | 約450万円 | 45件 |
| 笹井 | 入間市 約1.9km | 7.3万円/㎡ | 約440万円 | 15件 |
| 狭山台 | 狭山市 約1.8km | 6.9万円/㎡ | 約414万円 | 100件 |
| 大字笹井 | 入間市 約1.9km | 6.3万円/㎡ | 約376万円 | 5件 |
| 大字青柳 | 新狭山 約1.4km | 6万円/㎡ | 約360万円 | 84件 |
最も高い祇園(24.3万円/㎡)と最も低い大字青柳(6万円/㎡)では約4倍の開きがあります。「狭山市の相場」という一つの数字で語れる幅ではないので、検討中の物件がどの地区にあるかまで落として比べてください。
この数字の使い方
手元の物件情報から㎡単価を出して(価格÷専有面積)、上の表の同じ築年帯・同じ地区の中央値と比べます。大きく上回っているなら、その理由を確認する材料になります。駅からの距離、リノベーション済みかどうか、階数や向き、管理状態などです。理由が説明できれば納得して進められますし、説明がつかなければ価格交渉の根拠になります。
売る側の場合は逆で、査定額がこの水準から大きく離れていたら、その根拠を聞いてください。相場より高い査定額を出して媒介契約を取り、あとから値下げを求めるやり方は実際にあります。
データについて(読むときの注意)
- 成約価格のみを集計しています。 国土交通省のデータには収集ルートの異なる2種類(指定流通機構経由の成約価格情報と、買主へのアンケートによる取引価格情報)が混在しますが、本サイトでは前者だけを対象にしています。
- 価格には物件ごとの駅距離が反映されていません。 元の価格データに駅距離の項目がないため、同じ地区でも駅前と駅から離れた物件が同じ中央値に含まれます。駅近物件はこの数字より高いのが通常です。
- 地区の「最寄駅」は町の代表点からの直線距離です。 国土交通省「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」と「位置参照情報」を加工して算出した参考情報で、徒歩距離ではありません。川や線路を挟む地区では、実際に使われる駅と異なる場合があります。
- 中央値であって、あなたの物件の査定額ではありません。 同じ築年帯・同じ地区でも、個別の条件で価格は動きます。
- 取引件数が5件未満の地区・築年帯は数値を出していません。 少ない件数の中央値を相場として扱わないためです。
- 「調停・競売等」と記載のある取引は、市場価格を反映しないため集計から除いています。
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