中野区の中古マンションが実際にいくらで成立しているかを、国土交通省が公開する成約価格データから独自に集計しました。ポータルサイトに並ぶのは売主が希望する売出価格で、成約価格とは別物です。売却を考えるときも購入を検討するときも、判断の土台になるのは成約価格のほうです。
集計の概要
| 対象 | 中野区の中古マンション等 |
|---|---|
| 集計件数 | 2,472件 |
| 対象期間 | 2021年〜2026年 |
| 集計した地区数 | 19地区 |
| ㎡単価の中央値 | 88万円/㎡(60㎡なら約5,280万円) |
築年帯別の㎡単価
中古マンションの価格は、立地よりもまず築年数で決まります。中野区の成約データを築年帯ごとに分けると、次のようになります。
| 築年帯 | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 | 築0-10年を100とした指数 |
|---|---|---|---|---|
| 築0-10年 | 117万円/㎡ | 約7,040万円 | 617件 | 100 |
| 築11-20年 | 98.6万円/㎡ | 約5,917万円 | 492件 | 84 |
| 築21-30年 | 92.7万円/㎡ | 約5,561万円 | 412件 | 79 |
| 築31年以上 | 60万円/㎡ | 約3,600万円 | 951件 | 51 |
中野区では、築31年以上の㎡単価は築0-10年の約51%です(築21-30年で約79%)。同じ広さでも、築年数が上がるほど価格は下がります。60㎡に換算すると、築0-10年の約7,040万円に対して築31年以上は約3,600万円という水準です。
ここで重要なのは、この下がり方があなたが売るときの価格そのものだという点です。買うときに「安く買えた」と感じた築古物件は、売るときも同じカーブの上にいます。逆に築浅で買った場合、保有している間にこのカーブを下っていきます。購入の時点で、何年後にどのあたりに立っているかを見ておくことが「出口設計」の考え方です。
成約価格の年ごとの推移
2021年 78.2万円 → 2026年 104万円(+33%)
2021年の78.2万円/㎡に対し、2026年は104万円/㎡で、約33%の上昇です。なお2026年は公開済みの四半期までの集計で、通年の数字ではありません(元データは四半期ごとに公開され、公表までに数ヶ月の遅れがあります)。
ただしこの推移は築年帯を問わない全取引の中央値なので、1年ごとの上下をそのまま「値上がり・値下がり」と読むのは危険です。取引件数が少ない年に築古物件がたまたま含まれなかっただけで、中央値は簡単に押し上がります。前の見出しで見た築年による下落(同じ時点での比較)と、暦年による推移(時間の経過)は別の軸です。同じ「下がる」という言葉で混ぜないでください。
中野区の地区別の水準
同じ中野区でも、地区によって水準は大きく違います。取引が5件以上あった19地区を、㎡単価の中央値が高い順に並べました。
| 地区 | 最寄駅(直線距離) | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 |
|---|---|---|---|---|
| 東中野 | 東中野 約20m | 104万円/㎡ | 約6,229万円 | 396件 |
| 中野 | 中野 約290m | 100万円/㎡ | 約6,000万円 | 254件 |
| 南台 | 方南町 約850m | 98.5万円/㎡ | 約5,908万円 | 175件 |
| 上鷺宮 | 富士見台 約570m | 97.3万円/㎡ | 約5,840万円 | 73件 |
| 江古田 | 新江古田 約780m | 97.1万円/㎡ | 約5,829万円 | 95件 |
| 新井 | 沼袋 約540m | 95万円/㎡ | 約5,700万円 | 159件 |
| 本町 | 中野新橋 約340m | 92.4万円/㎡ | 約5,544万円 | 300件 |
| 大和町 | 野方 約840m | 89.2万円/㎡ | 約5,354万円 | 57件 |
| 中央 | 新中野 約510m | 88.9万円/㎡ | 約5,333万円 | 304件 |
| 弥生町 | 中野富士見町 約340m | 82.2万円/㎡ | 約4,933万円 | 177件 |
| 野方 | 野方 約280m | 81.3万円/㎡ | 約4,880万円 | 82件 |
| 若宮 | 都立家政 約390m | 72.5万円/㎡ | 約4,350万円 | 16件 |
| 白鷺 | 鷺ノ宮 約540m | 69.3万円/㎡ | 約4,160万円 | 59件 |
| 鷺宮 | 鷺ノ宮 約260m | 69.2万円/㎡ | 約4,154万円 | 89件 |
| 江原町 | 新江古田 約330m | 69.1万円/㎡ | 約4,145万円 | 45件 |
| 松が丘 | 新井薬師前 約520m | 67.1万円/㎡ | 約4,029万円 | 51件 |
| 上高田 | 新井薬師前 約360m | 64万円/㎡ | 約3,840万円 | 70件 |
| 丸山 | 野方 約580m | 63.6万円/㎡ | 約3,818万円 | 31件 |
| 沼袋 | 沼袋 約200m | 53.3万円/㎡ | 約3,200万円 | 39件 |
最も高い東中野(104万円/㎡)と最も低い沼袋(53.3万円/㎡)では約1.9倍の開きがあります。「中野区の相場」という一つの数字で語れる幅ではないので、検討中の物件がどの地区にあるかまで落として比べてください。
この数字の使い方
手元の物件情報から㎡単価を出して(価格÷専有面積)、上の表の同じ築年帯・同じ地区の中央値と比べます。大きく上回っているなら、その理由を確認する材料になります。駅からの距離、リノベーション済みかどうか、階数や向き、管理状態などです。理由が説明できれば納得して進められますし、説明がつかなければ価格交渉の根拠になります。
売る側の場合は逆で、査定額がこの水準から大きく離れていたら、その根拠を聞いてください。相場より高い査定額を出して媒介契約を取り、あとから値下げを求めるやり方は実際にあります。
データについて(読むときの注意)
- 成約価格のみを集計しています。 国土交通省のデータには収集ルートの異なる2種類(指定流通機構経由の成約価格情報と、買主へのアンケートによる取引価格情報)が混在しますが、本サイトでは前者だけを対象にしています。
- 価格には物件ごとの駅距離が反映されていません。 元の価格データに駅距離の項目がないため、同じ地区でも駅前と駅から離れた物件が同じ中央値に含まれます。駅近物件はこの数字より高いのが通常です。
- 地区の「最寄駅」は町の代表点からの直線距離です。 国土交通省「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」と「位置参照情報」を加工して算出した参考情報で、徒歩距離ではありません。川や線路を挟む地区では、実際に使われる駅と異なる場合があります。
- 中央値であって、あなたの物件の査定額ではありません。 同じ築年帯・同じ地区でも、個別の条件で価格は動きます。
- 取引件数が5件未満の地区・築年帯は数値を出していません。 少ない件数の中央値を相場として扱わないためです。
- 「調停・競売等」と記載のある取引は、市場価格を反映しないため集計から除いています。
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