東京都に接する川口市・蕨市・戸田市は、京浜東北線と埼京線で都心に直結する「埼玉の都内通勤ベルト」です。家探しでこの3市を比較検討する方は多く、実際、価格の水準も性格も三者三様です。国土交通省の成約データで並べて見ていきます。
全体の水準
| 市 | ㎡単価の中央値 | 60㎡なら | 取引件数 |
|---|---|---|---|
| 川口市 | 46.7万円/㎡ | 約2,800万円 | 2,956件 |
| 蕨市 | 44万円/㎡ | 約2,640万円 | 347件 |
| 戸田市 | 50.7万円/㎡ | 約3,040万円 | 841件 |
件数の差がまず目を引きます。川口市は3市の中で市場規模が圧倒的に大きく、選択肢の多さと、売るときの買い手の見つけやすさの両方につながっています。一方この全体中央値は築年構成の影響を受けるため、比較は次の築年帯別で行ってください。
築年帯別の比較(ここが本題)
| 築年帯 | 川口市 | 蕨市 | 戸田市 |
|---|---|---|---|
| 築0-10年 | 67.1万円/㎡ | 66.4万円/㎡ | 57.8万円/㎡ |
| 築11-20年 | 52万円/㎡ | 58.6万円/㎡ | 54.5万円/㎡ |
| 築21-30年 | 48万円/㎡ | 40万円/㎡ | 45万円/㎡ |
| 築31年以上 | 30.9万円/㎡ | 32.5万円/㎡ | 35万円/㎡ |
読み方のポイントを2つ挙げます。
築古の価格が崩れにくい。3市とも、築31年以上の㎡単価が築0-10年に対して比較的高い水準を保っています。都心アクセスの良さが築古物件の需要を下支えしている構図で、埼玉県の郊外エリアとは明確に違う動き方です(築30年の価格がエリアで3倍違う話で全体の分布を確認できます)。
同じ築年帯なら価格差は「駅と徒歩分数」の差。市の名前で選ぶより、実際には最寄り駅と徒歩分数で価格が動きます。各市のエリアページで地区別の水準まで下りて比べてください。
直近の値動き
川口市: 2021年から2026年にかけて約15%の上昇(築年帯を問わない全取引の中央値)。
蕨市: 2021年から2026年にかけて約28%の上昇(築年帯を問わない全取引の中央値)。
戸田市: 2021年から2026年にかけて約21%の上昇(築年帯を問わない全取引の中央値)。
年ごとの中央値は、その年に取引された物件の築年構成に左右されます。単年の上下を「相場の急変」と読まず、方向感として見てください。
どう選び分けるか
データから言える範囲で、検討の入口を整理します。
- 選択肢の多さと流動性を最優先するなら川口市。取引量が多く、売る場面でも買い手を見つけやすいと考えられます
- コンパクトな市域と駅近の生活動線なら蕨市。市全体が駅圏に収まっており、地区による外れが小さいのが特徴です
- 埼京線での新宿・渋谷方面アクセスなら戸田市。築古でも価格が残りやすいエリアです
いずれの市も、購入の時点で「10年後・20年後にいくらで売れそうか」を築年カーブで見ておくことをおすすめします。買った瞬間から、あなたの物件もこのカーブの上を進むためです。
まとめ
- 3市の比較は全体中央値でなく築年帯をそろえて行う
- 3市とも築古の価格が残りやすく、都心アクセスが下支えしている
- 市場規模は川口が突出。流動性は売却時の強みになる
購入側の資金計画は住宅ローンの変動と固定の選び方、売却側の判断は売り時の3つの基準へ。
集計対象: 2021年以降の成約価格情報(中古マンション等)。集計方法は各エリアページに記載しています。
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