埼玉で中古マンションが安い市区はどこか。ランキングの数字に潜む「からくり」

「埼玉で安く中古マンションを買えるのはどこか」という問いに、成約データで答えます。ただし先に結論を言うと、安い順ランキングをそのまま信じると判断を誤ります。順位の大部分は「その市区で売買される物件の築年構成」で決まっているからです。この記事はランキングと、その正しい読み方をセットで扱います。

㎡単価が安い市区ランキング

築年帯を問わない全取引の㎡単価中央値で、安い順に10市区を並べました。

市区㎡単価の中央値60㎡なら築31年以上の割合
狭山市10万円/㎡約600万円79%
北本市11.3万円/㎡約675万円62%
坂戸市15.4万円/㎡約923万円58%
鶴ケ島市15.4万円/㎡約923万円61%
入間市15.5万円/㎡約930万円66%
春日部市16.9万円/㎡約1,015万円61%
久喜市16.9万円/㎡約1,015万円60%
鴻巣市17.6万円/㎡約1,054万円50%
さいたま市西区17.9万円/㎡約1,075万円58%
さいたま市見沼区18.9万円/㎡約1,131万円56%

ランキングの「からくり」: 築年構成

右端の列を見てください。安い市区ほど、取引の大半が築31年以上です。

たとえば狭山市の中央値は10万円/㎡ですが、これは「狭山市ならどんな物件も安い」という意味ではありません。狭山市で売買されている物件の79%が築31年以上で、安い築古物件が中央値を引き下げているのが実態です。実際、同じ狭山市でも築0-10年に絞ると中央値は49.2万円/㎡、60㎡換算で約2,954万円になります。

つまりこのランキングは「安く買える市区」の一覧というより、「築古の在庫が厚い市区」の一覧に近いものです。

正しく比べるには「同じ築年帯」で見る

市区どうしを比べるときは、必ず築年帯をそろえてください。各エリアページには築0-10年・11-20年・21-30年・31年以上の4帯それぞれの中央値を載せています。

「安い」には理由がある

築年構成をそろえてもなお安い市区には、都心までの所要時間・駅からの距離の遠い物件が多い・供給された時代の偏りといった構造的な理由があります。安さは欠点の裏返しであると同時に、自分にとって重要でない欠点なら、それは割安の源泉でもあります。

たとえば在宅勤務が中心で通勤頻度が低いなら、都心距離のディスカウントは実害の小さい割引です。逆に毎日通勤するなら、その割引は毎日コストとして払い戻すことになります。

買う前に出口も見る

安く買えるエリアは、将来売るときも安いエリアです。購入時の安さだけでなく、築年数でどれくらい価格が落ちるかをエリアごとに確認し、保有期間の終わりにいくらで手放せそうかまで見ておくと、「安く買ったのに出口で損をする」事態を避けやすくなります。これが本サイトの言う出口設計です。

まとめ


集計対象: 埼玉県38市区・2021年以降の成約価格情報(中古マンション等)。集計方法は各エリアページに記載しています。

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