マンションは築年数とともに安くなります。ただし「どれくらい安くなるか」は全国一律ではなく、どの都県で買ったかによって大きく違います。この記事では一都三県について、築31年超の成約㎡単価が同じ市区の築0-10年の何%にあたるか(残存率)を市区ごとに計算し、その中央値を都県別に比較しました。
都県別の残存率(築31年超 ÷ 築0-10年)
| 都県 | 対象市区数 | 残存率の中央値 | 市区ごとの幅 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 45市区 | 50% | 24%〜61% |
| 神奈川県 | 39市区 | 38% | 18%〜65% |
| 埼玉県 | 35市区 | 32% | 17%〜61% |
| 千葉県 | 20市区 | 25% | 14%〜64% |
最も値持ちが良いのは東京都の50%、最も落ちるのは千葉県の25%です。同じ首都圏でも、築31年時点で残る価値には都県間で約2倍の開きがあります。
金額に直すとどういうことか
残存率だけではピンと来ないので、仮に「築0-10年の水準で4,000万円相当」の物件で考えます。それぞれの都県の中央値どおりに推移した場合、築31年超の水準まで来たときの残りは次のようになります。
| 都県 | 築0-10年で4,000万円相当なら |
|---|---|
| 東京都 | 約2,000万円 |
| 神奈川県 | 約1,520万円 |
| 埼玉県 | 約1,280万円 |
| 千葉県 | 約1,000万円 |
同じ4,000万円を払っても、東京都と千葉県では手元に残る資産に約1,000万円の差がつく計算です。購入時には見えないこの差が、売却時に一気に表面化します。これが本サイトの言う「買う前に出口を見る」ということです(考え方の全体は買う前に確認する出口の3基準にまとめています)。
なぜ都県でこれほど違うのか
主な構造は2つあります。
1つ目は築古への需要の厚さです。都心に近いほど、立地の希少性が築年数の古さを補います。駅近の築古はリノベーション前提の買い手が付きやすく、価格の下支えになります。郊外では同じ築古が「安くても選ばれない」側に回りやすく、下落が深くなります。
2つ目は新築・築浅供給の価格水準です。残存率は割り算なので、分母である築0-10年が高騰しているエリアでは比率が下がって見えます。東京23区の中でも順位が直感と逆になるのはこのためで、詳しくは東京23区の残存率ランキングで扱っています。
都県単位は出発点にすぎない
表の右端の「市区ごとの幅」を見てください。どの都県も、内部のばらつきが都県間の差より大きいことがわかります。値持ちの良い都県にも下落の深い市区があり、その逆もあります。
したがって使い方はこうなります。まず都県単位で大づかみし、次にエリア別ページで市区単位の築年帯データを確認する。埼玉県内の市区ごとの違いは築30年マンションは売れるかで詳しく分解しています。
まとめ
- 築31年超の残存率は都県で大きく違い、購入額が同じでも出口の金額に差がつく
- 差の構造は「築古への需要の厚さ」と「新築・築浅の価格水準」の2つ
- 都県単位はあくまで出発点。市区単位、最後は物件単位(管理・駅距離)で判断する
- 買う前に、売るときの価格カーブまで見るのが出口設計
集計対象: 一都三県のうち築0-10年と築31年超の両方で中央値が算出できた市区(表内に記載)・2021年以降の成約価格情報(中古マンション等)。集計方法は各エリアページに記載しています。
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