東京23区で築古マンションの値持ちが良い区・悪い区。新築比の残存率ランキング

「都心のブランド区なら、古くなっても値持ちする」。マンション選びでよく聞く直感ですが、成約データで確かめると順位はかなり違う形になります。この記事では東京23区について、築31年超の成約㎡単価が、同じ区の築0-10年の何%にあたるか(以下、残存率)を算出し、ランキングと読み方をまとめました。

残存率ランキング(築31年超 ÷ 築0-10年)

国土交通省の成約価格情報(2021年以降)を区ごとに集計し、築0-10年と築31年超それぞれの㎡単価の中央値から残存率を出しました。

築0-10年築31年超残存率
墨田区97.8万円/㎡60万円/㎡61%
千代田区163万円/㎡96.7万円/㎡59%
大田区98.4万円/㎡57.1万円/㎡58%
練馬区87.7万円/㎡50万円/㎡57%
目黒区149万円/㎡85.5万円/㎡57%
台東区111万円/㎡64万円/㎡57%
世田谷区120万円/㎡67.5万円/㎡56%
文京区143万円/㎡80万円/㎡56%
江戸川区78.6万円/㎡44.2万円/㎡56%
北区96.9万円/㎡54.5万円/㎡56%
葛飾区71.4万円/㎡38.3万円/㎡54%
板橋区83.3万円/㎡44.5万円/㎡53%
杉並区113万円/㎡60万円/㎡53%
荒川区98.2万円/㎡52万円/㎡53%
江東区115万円/㎡58.2万円/㎡51%
品川区143万円/㎡73.3万円/㎡51%
中野区117万円/㎡60万円/㎡51%
港区200万円/㎡100万円/㎡50%
新宿区150万円/㎡75万円/㎡50%
足立区69.3万円/㎡35万円/㎡50%
豊島区131万円/㎡65.9万円/㎡50%
中央区156万円/㎡76万円/㎡49%
渋谷区200万円/㎡92.5万円/㎡46%

最上位は墨田区の61%、最下位は渋谷区の46%です。埼玉県の同じ集計では中央値が3割台ですから(詳細は築30年マンションは売れるか)、23区はどこであっても築古の値持ちが首都圏平均よりはるかに良い、というのが大前提です。そのうえで、区の顔ぶれを見ると直感と逆の並びが目につきます。

ブランド区が下位に来る理由

港区・中央区・渋谷区といった、資産価値の文脈で真っ先に名前が挙がる区が、このランキングでは下位圏にいます。逆に上位には墨田区など、城東・城南の実需エリアが並びます。

これは「ブランド区の築古が売れない」という意味ではありません。残存率は割り算なので、分母である築0-10年の水準が極端に高い区ほど、比率としては下がりやすいのです。都心部の新築・築浅はタワーマンションを含む高価格帯の供給が多く、分母が跳ね上がります。実際、残存率最下位の渋谷区でも、築31年超の絶対額は92.5万円/㎡で、23区中3位です。比率の下位と絶対額の下位は別物です。

一方で上位の区は、新築供給が相対的に落ち着いた価格である一方、築古にも実需の買い手が付きやすい構造です。駅距離や広さの条件が良い築古が、生活圏を変えたくない層に選ばれ続けるためと考えられます。

この表を売買にどう使うか

買う側と売る側で、見るべき場所が変わります。

残存率が拾えない個別要因

この数字は区単位の中央値どうしの比較です。同じ区でも、管理状態・修繕履歴・駅距離・リノベーションの有無で個別の価格は大きく動きます。特に築古は管理の良し悪しが価格に直結するため、区の残存率が高くても管理不全の物件は例外になりますし、その逆もあります。ランキングは出発点として使い、最終判断は物件単位の情報で行ってください。

まとめ

都県をまたいだ残存率の比較は築31年でいくら残るか。一都三県の値持ち比較にまとめています。


集計対象: 東京23区・2021年以降の成約価格情報(中古マンション等)。築年帯の㎡単価は各帯30件以上の区のみ掲載しています。集計方法は各エリアページに記載しています。

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