「新築は高いから中古で」という定番の節約策は、実はどこでも成立するわけではありません。築11-20年の価格が築0-10年に肉薄している市区では、節約幅はごくわずか。逆に大きく開いている市区では、中古選びが強力な武器になります。埼玉県の成約データでこの分岐を見ます。
節約にならない市区: 比率85%以上
築11-20年の㎡単価が築0-10年の85%以上、つまり築15年前後を選んでも15%も安くならない市区です。
| 市区 | 築11-20年 ÷ 築0-10年 | 60㎡での差額目安 |
|---|---|---|
| 三郷市 | 100% | 約-9万円 |
| 朝霞市 | 95% | 約188万円 |
| 戸田市 | 94% | 約200万円 |
| さいたま市中央区 | 90% | 約463万円 |
| さいたま市大宮区 | 89% | 約617万円 |
| 蕨市 | 88% | 約466万円 |
| 久喜市 | 88% | 約262万円 |
| 富士見市 | 87% | 約413万円 |
| さいたま市浦和区 | 86% | 約778万円 |
これらの市区は中古需要が強く、築年が進んでも価格が締まったままです。ここで築11-20年を選ぶ理由は「安いから」ではなく「立地・管理・広さが気に入ったから」であるべきで、価格メリットを期待すると肩透かしを食います。裏を返せば、ここで買った物件は10年後も値持ちしやすかったということでもあり、出口設計の観点では心強いエリアです。
中古が効く市区: 比率70%未満
| 市区 | 築11-20年 ÷ 築0-10年 | 60㎡での差額目安 |
|---|---|---|
| 上尾市 | 69% | 約1,125万円 |
| 八潮市 | 68% | 約1,168万円 |
| 新座市 | 67% | 約1,345万円 |
| 狭山市 | 61% | 約1,154万円 |
| さいたま市桜区 | 61% | 約1,440万円 |
| 志木市 | 60% | 約1,760万円 |
| 吉川市 | 58% | 約1,338万円 |
| 蓮田市 | 54% | 約1,747万円 |
| 鴻巣市 | 51% | 約1,613万円 |
| さいたま市見沼区 | 47% | 約2,110万円 |
差額が数百万円から一千万円規模に達する市区もあります。この差額はリフォーム・繰上返済・教育資金など、何にでも化ける原資です。
ただし1点、比率が極端に低い市区は、築0-10年側にタワーマンション等の高単価供給が偏っている可能性があります。その場合「普通のマンションどうし」の差はここまで開きません。エリアページで地区別の構成を確認してから判断してください。
分岐の使い方: 自分の優先順位に当てはめる
価格最優先なら、比率の低い市区で築11-20年を狙うのが最も効率的です。この築年帯は新耐震で、住宅ローンや税制面の制約も比較的少ない世代です。
値持ち最優先なら、比率の高い市区が答えです。買うときの節約は小さくても、売るときの下げも小さい。住み替えの可能性が高い人ほど、この安心は効きます。
迷ったら、比率の高低よりも先に流動性を確認してください。取引の薄い市区では、そもそも希望の築年帯の物件が出てくるまで待つことになります。
まとめ
- 「中古で節約」の効き目は市区次第。比率85%超では効かず、70%未満では強力
- 比率が極端な市区は築0-10年側の供給構成を疑う
- 値持ち重視なら高比率の市区、価格重視なら低比率の市区で築11-20年
新築・築浅側の予算感は3,000万円台で買える市区、購入後の値下がりカーブは築10年でいくら下がるかへ。
集計対象: 埼玉県34市区・2021年以降の成約価格情報(中古マンション等)。両築年帯とも取引5件以上の市区のみ。集計方法は各エリアページに記載しています。
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